☆金筋、砂流が激しく入る互の目乱れの見事な健全無比な豪刀。上研ぎ済
刃長 一尺八寸（54.6） 元重 二分一厘（0.65）
反り 三分三厘（1.0） 先重 一分五厘（0.45）
元幅 一寸一厘（3.06） 鉾長 九分七厘（2.9）
先幅 六分七厘（2.05） 茎長 四寸五分五厘（13.8）
目釘穴 一個（生） 上蓋銀無垢波図下蓋素銅二重
☆鎬造り庵棟、身幅広く、重ね尋常。反り浅く元先の幅差のつく寛文新刀姿。鍛えは明るく板目肌が細かく詰んだ精美な鍛えに地沸微塵に厚く付き、地景混じる。中切先。
刃文は大湾れ主調の互の目乱れ。足太く入り、匂深く敷いて沸よく付き、砂流し、金筋を激しく交える。地刃共に明るく冴える。直ぐ焼き出しあり。
帽子掃き掛けて返る。茎生ぶで入山形、鑢目筋違。茎棟小肉刃方小肉付き、指表棟寄り目釘穴上に菊紋、揃えて行書体で独特の大振りな六字銘。

本作の越前守信吉は初代信濃守信吉の弟とも三男とも言われ、銘を「越前守源信吉」「入道源来信吉」「高井越前守源来信吉」などと切り、寛文から元禄期に活躍した大阪新刀の著名工。
一族信吉中の名手で「直刃の上出来は真改に迫る。濤乱刃は助廣に似る」と云われる名工。業物。
大坂陣後の商都大坂では、移住してきた刀工が、美しくしかも斬れ味の良い刀を生み出した。
高井越前守信吉、井上真改、越前守助廣などが代表工で、作刀技術は極まりをみせた。
xkcrx ・・・ 上記の画像は フォトアップで掲載しました ・・・